2016/03/14

にっき

 かーてんが、ゆれている。

 あけておいたまどから、風がはいっているんだな。風といっしょに、雨のおともはいってくる。

 いやだな。ぼくは、ためいきをつく。めざましどけいは、6じをしめしている。あと1じかん、このままでいられる。

 ぼくは、めをつむってみる。風が、やさしくぼくを、さわるのをかんじる。風のこえが、きこえてくる。きげんが、わるいんだね。雨のせいかな?わたしは雨がすきだけどなあ。ぼくはおとなぶってみる。風くん、きみとはともだちになれそうにもないね。風は、あかるくわらうと、さっていった。

 めをあけるてみると、かーてんが、そとにはためいた。

 雨がすきか。かわっているよ。ぼくは、てんじょうをみつめる。しばらく、かんがえてみる。やっぱり、すきになれそうにもないな。

 きがつくと、雨のおとが、へやいっぱいみたしている。ぼくは、みみをかたむけてみる。どこか、かなしく、どこか、なつかしい。

 とおく、ふかいところから、きおくが、よみがえる。
 めのまえに、ぼくが、たっていた。

 やあ、やっと、あえたね。
 ぼくは、なんども、おおきくうなずいた。
 そう、やっとあえた。

 おかあさんのこえがする。
 さあ、おきなさい。ねぼすけね。
 あら、ないているの。おかしいわ。

 そとにでると、雨はやんでいた。
 あまぐものすきまから光がさしている。

1995/07/20